学生が知りたいコミュニケーションが上手な社会人とは?
これから社会人となる学生が、一番不安に感じていることについてのアンケート調査がありました。
コミュニケーション能力、敬語の使い方、挨拶の仕方、電話での対応、タイムマネジメント、飲み会での作法などが上位に上げられましたが、その中で最も多かったのは、コミュニケーション能力でした。
確かに、ビジネスにおいては年齢や知識、経験が異なる人たちとのコミュニケーションが欠かせません。
では、ビジネスの現場における「コミュニケーション能力が高い人」とは、どのような人なのでしょうか。
まずとても大事なことは、相手と共鳴したり共振したりして、お互いが意思疎通をするための共通のゾーンを見つけることができる人だと言われています。
それを見つけられるかどうかが、新しく社会人になった人にとってのコミュニケーション力の差になると思います。
学生と社会人のコミュニケーションの違いは?
ビジネスにおけるコミュニケーションが学生のそれと本質的に異なる特徴は、次の3つです。
上下関係が存在する
基本的に、学生同士のコミュニケーションは対等関係です。
一方、会社では上司・顧客と自分のように「上下関係」を前提としたコミュニケーションが行われます。
受け手が支配する
学生同士なら、互いに言いたいことを伝えます。話が合わなければ、関係を切れば良いだけのことです。
けれども、会社などビジネスの現場では、どのような相手でも受け手に合わせながら話を進める技術が必要になります。
要求を含む
学生同士のコミュニケーションは、基本的に人間関係の円滑化を目的としていますが、ビジネスの現場では、相手に要求が盛り込まれるのが通常です。
学生と違う、社会人の上下関係中心のコミュニケーション
学生のうちなら、友達を中心とした人脈の多さや、サークルのメンバーをまとめるリーダーシップなどで、コミュニケーション能力が高いと認められるかも知れません。
けれども、社会に出たら、そのような能力はそれほど重要ではないのです。友達同士の横のつながりを中心とした学生時代と違い、会社であれ顧客に対してであれ、社会人は基本的に上下関係に基づくコミュニケーションの中で生きているのです。
しかも、その上下関係において、時には理不尽な問題に対処しなければならないこともあります。
これは、社会人の人間関係が、商売などの取引を中心とした関係に基づいているからです。
自分がどのような環境、人間関係、そして仕事を望むかなどということは全く関係なく、道理に合わないたくさんの出来事が存在しているのが社会というもの。
そんな社会の現実を踏まえながら、会社という縦社会に生きる社会人にとって、上司・部下、対顧客といった社会的上下関係は、先輩・後輩という狭い上下関係などよりもはるかに重要な関係になっているということです。
学生とは違う社会人のコミュニケーションにおける責任の自覚
気ままな学生
自由を満喫し、時間もたっぷりあった学生時代は、好きな仲間と好きなことをやって過ごしていれば良かったのです。
嫌なことなどは無理にやらなくて良かったし、多少羽目を外しても、そこでの失敗は自分やサークルに影響したとしても、所詮は学生だからと許されることが多かったのです。
責任の重い社会人
けれども、いったん社会に出れば、年齢・性格、そして経験などが異なる人間で構成される集団・組織などに所属することになります。
そこでは、たとえそれが自分の苦手な上司や顧客であっても社会的上下関係をうまく保たねばなりません。
また、集団・組織に所属すれば、必然的に何らかの責任を負わされたり、課題を与えられたりするものです。
そこで、その責任や課題をクリアするため、社会的上下関係を意識しながら積極的にコミュニケーションを取っていかねばならないものなのです。
社会人のコミュニケーションに必要な報・連・相
会社という組織や集団に所属すると、報告・連絡・相談の徹底が要求されます。
なぜ、報告・連絡・相談が必要なのでしょうか。それぞれの目的を確認しておきましょう
報告
上司から指示されたり、命令されたりしたことをについて部下が経過や結果を知らせることを報告と言います。報告は、部下から上司というように目下の者から目上の者へするものです。
連絡
自分の意見や憶測などを入れず、簡単な情報を関係する者に知らせることを連絡と言います。
連絡は、誰でも発信したり受信したりでき、その対象も集団や個人など様々です。
相談
人間関係の上下に関係なく、自分が判断に迷ったり、意見を聞いて欲しかったりする時などに助言してもらうことを相談と言います。
この「報告・連絡・相談」が徹底している会社は、上下のコミュニケーションが緊密になされ、スタッフ同士の意思疎通が円滑に進み、さらには新たなアイディアが生まれたり、諸問題が解決されたりしていきます。
また、この結果、仕事上のミスやトラブルが未然に防止され、仕事の効率も向上していきます。
このような活動を通して、会社の組織や活動はさらに活性化していくものなのです。