聞くことにより不安が解消されるヒーリング音楽とは?
リラックス効果や癒し効果がある音楽は「ヒーリング音楽」と呼ばれます。
では、この「ヒーリング音楽」とはどういったものなのでしょうか。ここでは、ヒーリング音楽の効果について脳波との関係をもとに紹介します。
脳波とは
実は脳では電気的な処理が行われています。その処理において発せられるのが脳波です。
脳波は次の4つに分類されています。
- ベータ波(14〜30Hz)
- アルファ波(8〜13Hz)
- シータ波(4〜7Hz)
- デルタ波(0.5〜3Hz)
これらは、意識の状態と関係しています。日常生活ではベータ波の状態であることが多いです。それは意識が緊張しているためです。
しかし、心身ともにリラックスしている時は、脳波はベータ波からアルファ波へと変わっていきます。
そして、このアルファ波の状態では「創造力・集中力・記憶力」などが高まることがわかっています。
ヒーリング音楽と脳波の関係
次にヒーリング音楽との関係ですが、実はこの音楽の周波数は8〜13Hzで編成されています。
そのため、ヒーリング音楽を聞くとこの周波数の脳波、すなわちアルファ波の状態になりやすくなるのです。
このため、ヒーリング音楽を聞くと、リラックス状態になりやすいのです。
不安を解消するヒーリング音楽としておすすめのクラシック音楽
ヒーリング音楽としてどのようなものを聞けばいいのでしょうか。
ヒーリング音楽として販売されているものもありますが、それらは自然音などが多く、聞いていても味気ないかもしれません。では、そのほかにはないのでしょうか。
そのヒーリング音楽にふさわしいのが「クラシック音楽」です。クラシック音楽には次のような効果があるのです。
アルファ波を誘発する効果がある
クラシック音楽には、先ほど紹介したアルファ波を誘発する効果があります。
クラシック音楽には、1/fゆらぎという周波数が多く含まれており、この周波数がアルファ波を誘発するのです。
右脳を刺激する効果がある
さらに、クラシック音楽は右脳を刺激する効果があります。人間の脳は左脳(言語脳)と右脳(非言語脳)に分かれており、日常生活ではほとんど左脳が使われています。
しかし、クラシック音楽を聴くことで右脳が刺激され、左脳が休まることになりリラックス効果を生み出します。
これは、歌詞が入っている音楽だとこうはなりません。なぜなら、左脳が反応してしまうためです。
このように、クラシック音楽はリラックス効果があり、ヒーリング音楽としてふさわしいのです。
不安を解消するクラシック音楽以外の世界の音楽5選
先ほどはヒーリング音楽としてクラシック音楽をおすすめしましたが、それ以外のジャンルの音楽の中にもヒーリング音楽にふさわしいものもあります。
ここでは、そのなかの5つを紹介します。
- マルコーニ・ユニオン「ウエイトレス」
- エアストリーム「エレクトラ」
- DJ Shah「メロマニアック」
- エンヤ「ウォーターマーク」
- コールドプレイ「ストロベリーソング」
ここには、コールドプレイやエンヤといった現代アーティストの曲も紹介しています。
最初の「ウェイトレス」は、イギリスのアンビエントバンドが、英音楽療法協会の監修を受けて作った究極のヒーリングミュージックです。
そのヒーリング効果は実験でも示されており、この曲を聴いた被験者は不安のレベルが65%減少し、さらに安静時の心拍数も35%下がったそうです。
このように、クラシック音楽だけではなく、現代のアーティストによる曲のなかにもヒーリング効果があるものがあるのです。
不安を解消するヒーリング音楽の効果を高める聴き方
ここまでヒーリング音楽について紹介してきました。
ただ、音楽をぼーっと聴いているだけで効果があるものなのでしょうか。どのように聴いたらより効果が出るのでしょうか。
ここでは、ヒーリング音楽の効果を高める聴き方を紹介します。
1日あたりに聴く時間
効果を高めるには、1日あたり30分〜1時間聴きましょう。最初はそれを毎日続けましょう。その後、インターバルを置き、そしてまた毎日聴くようにします。
それから、週に何日かは聴かない日を作るというように、少しインターバルも入れながらある期間集中して聴くようにしましょう。
個人差はありますが、ヒーリング効果を得るためには、100時間〜200時間は集中して聴くことが必要だと言われています。
聴く曲数
ヒーリング音楽を聴くときには、1つの曲を集中して聴いた方がいいのでしょうか。
それは、複数の曲を聴いてもかまいません。1つの曲だけを聴き続けると飽きてしまい、ヒーリング効果が落ちてしまうからです。「心地よい」と感じなければヒーリング効果がないのです。
だから、曲に飽きてしまった時には、違う曲に切り替えて聴くようにしましょう。
ヒーリング効果を高める聴き方
聴く時の環境も重要です。せっかくヒーリング音楽を聴いていても、周りにリラックスを妨害する環境があれば台無しです。
ヒーリング効果を高めるためには、次のような環境を整えることを大切です。
- コーヒーや紅茶など飲み物を飲みながら聴く
- アロマを焚きながら聴く
- 周りがうるさいようであればヘッドホンを使って聴く
このように聴く環境についてもリラックスできる場を作ることが大事です。
ヒーリング音楽は医学的にも不安を解消することが認められている
音楽が不安やストレスを軽減することは医学的にも確認されています。ここでは、音楽が医学的にどのような効果を与えているのかを紹介します。
病院のなかには、手術中に音楽を流し、緊張感を和らげているところもあるようです。
さらに、ある病院では、手術中に音楽を聴くことにより手術の技が向上したという報告もあります。
このように、ヒーリング音楽は医者や看護師にも効果があるのです。
また、日本のある病院では手術中に流す音楽を患者に選んでもらい、それを手術中に流しているそうです。これはもちろん手術を受ける患者の不安を和らげたり、リラックスさせたりするためです。
さらに、手術中に音楽を流しておくことにより、手術後の痛みや患者の不安を和らげる効果もあるそうです。
その結果、鎮痛剤の使用を減らし、患者の満足度を高めることにもつながっているのです。
このように、ヒーリング音楽は医学的にも効果があることがわかっているのです。
音楽が身体にもたらす様々なヒーリング効果
ここまで、ヒーリング音楽に不安を解消する効果がある理由、そして効果を高める聴き方などを紹介してきました。
最後に、音楽が不安を解消する以外に心身にもたらす様々な効果を紹介します。
気分を高揚させる効果
自分が好きな曲を聴くと気分が高揚しませんか?
それは、曲を聴くと脳がその音楽を好きかどうか察知し、好きであれば神経伝達物質ドーパミンが放出され、気分をよくさせるからです。
記憶をよみがえさせる効果
昔聴いていた曲を改めて聴くと、その時の記憶がよみがえってくるということはありませんか?
特に元彼とよく聴いていた曲を聴き直すと悲しい記憶がよみがえることはよくあるのではないでしょうか。
それは、その時の出来事と音楽が結びついて記憶されているためです。
知力が上がる効果
音楽はいろんな楽器やメロディが組み合わさってできています。そのため、その音楽を理解するには脳がかなり使われます。
特に前頭葉が鍛えられると言われています。この前頭葉は思考力や創造力と関係が深い領域と言われているため、音楽を聴くことによりこれらの力も上がっていくのです。
ストレス低減と心拍数を下げる効果
先ほど医学的な効果のところでも紹介したように、音楽を聴くとストレスを低減させる効果があります。
さらに心拍数も下げる効果もあるのです。
代謝をよくし、免疫システムを向上させる効果
音楽を聴くことにより、身体の働きにも効果があります。それは成長ホルモンを増やし代謝を促す効果です。
さらに、免疫システムを向上させることもわかっています。このように、音楽には心身に及ぼす様々な効果があるのです。