理系学部の学生が卒業後に就職しやすい職業の例
理系学部の学生はどのような職業の仕事に就くことが多いのでしょうか。
就職活動について紹介する前に、理系学部卒業の学生が就職先として就くことが多い仕事について紹介します。
研究職
この職業は、会社などの研究部門に所属して、これまで世に出ていない専門分野を研究し、評価・分析を繰り返しながら、新しいものを生み出す仕事です。
理系学部では卒業の条件として専門の研究をし、卒論を提出することが課されることがほとんどでしょう。そのため、企業としても研究経験のある理系出身の学生を欲しがります。
ただ、研究員として与えられた期間・予算のなかで研究していく必要があるため、そういった経験をしている修士や博士過程卒の学生を採用することが多いです。
この職に向いている人
- 1つの専門分野をこだわりをもって追求でき、目的に対して貪欲に追求していける忍耐力のある人
- 自分の夢やビジョンをしっかりと持っており、必ず実現するという強い気持ちを持っている人
生産技術・製造技術職
この職業は、会社の自社製品を生産する際に、主に「コスト・スピード・省人化」を目的として生産体制や技術などの向上をはかり、業務を効率化していく仕事です。
この仕事には技術的な知識も必要となるため、そういった知識を持っている理系学部卒の学生が好まれます。
製品の分野によっては、機械系や電気・電子系の学生だけではなく、化学系の学生も必要とされます。
この職に向いている人
- プロセスを考えることが好きな人
- 多くの部署との連携が必要となってくるため、協調性があり、臨機応変に対応できる人
メンテナンス・品質・生産管理職
自社製品を市場に出している会社にとって、製品の品質に問題がないようにすることが大事です。
せっかく市場に出したとしても、その品質が悪ければ売れませんし、その製品、そして会社の信頼も落としてしまいます。
この職業は、こういった自社製品の信頼を守るべく、品質を常にチェックし、データとして管理する仕事です。
具体的には、製造工程において発生しそうなトラブルを未然に防ぐ対策を取り、綿密な検査、点検整備などを行っていきます。万が一、問題が発生した場合には、原因究明を行い解決策を考え、その対策を追加していきます。
必ずしも理系学部卒である必要はありませんが、専門的な知識も必要となってくるため、理系の学生のほうが好まれやすいでしょう。
この職に向いている人
- 論理的思考力に優れていて、一つのことを追求することが好きな人
- 責任感が強く、事前にトラブルを想定することができ、臨機応変な対応ができる人
理系学部生が研究の忙しさで就職活動がままならないときの対処法
理系学部の学生は最終学年になると忙しい研究のさなか、就職活動をしなければいけません。
しかし、なかには実験などが忙しく、なかなか就職活動ができない学生もいるのではないでしょうか。
そんな学生の皆さんに対して、就職活動をうまく進めていく方法を紹介します。
セミナーや会社説明会などは極力土日に参加する
いくら大学の研究が忙しいからといっても、土日は休んでいいところがほとんどでしょう。平日は忙しくても休日は比較的自由な時間を取りやすいものです。
ですから、この土日を有効活用しましょう。
セミナーや会社説明会は平日に行われることが多いですが、土日に開催されているものを探して参加しましょう。
積極的に活動している友達から情報を入手する
友達のなかには平日も就職活動をしている人がいるのではないでしょうか。
このような友達は自分よりも会社説明会などに多く参加しているものです。そのため、情報も自分よりたくさん持っているでしょう。
もし、このような友達がいるようだったら、積極的にこの友達から情報を提供してもらいましょう。
具体的には、会社説明会で聞いた内容を教えてもらう、配布された資料を見せてもらうなどです。
OB訪問があったら、積極的に参加し情報を入手する
大学によっては、その大学のOBがリクルーターとして訪問してくることがあります。
その際には、積極的に参加し、その会社の情報を入手しましょう。
大学院への進学を決めている理系学部学生の就活の意味
すでに大学院に進学することを決めている学生にとって、就職活動をすることは無駄なのでしょうか。それはそうではありません。
大学院に進学するにしても就職活動をしておくことは、今後、大変役に立つことでしょう。
それは、次のような理由があるからです。
理由その1:社会の仕組みを理解できる
大学生はすでに成人と言えども社会人としてはまだまだです。
会社がどのように成り立っているのか、会社ではどんなことをしているのかについては、実際に働いていないためわからないことが多いでしょう。
それが、就職活動をすることで多少理解できるようになります。
大学の研究は限られた場所と人間関係という狭い世界での活動です。そうすると、自分がやっている研究の意味や目的がわからなくなることもあります。
そうならないために、一度、就職活動をして社会の仕組みを少しでも理解しておけば、自分の研究の意味を忘れることなく進められるでしょう。
理由その2:大学院に進学後の生活が有意義なものになる
就職活動においては自分の将来や自分の得意なことなどを分析しなければいけません。
結果的に、それは大学院に進学することになっても、「自分はこの得意分野をさらに伸ばすのだ」というような進学の目的を見出すことにもなり、学生生活をさらに有意義に過ごせるでしょう。
このように、大学院に進学するにしても就職活動をすることは決して無駄ではないのです。
理系学部生の就職活動は文系のものとは異なる!
理系の就職活動は文系と比べ、ちょっと違うところがあります。それは理系出身の学生にはより専門的なことが求められるからです。
会社説明会やエントリーシートなどで同じところもありますが、筆記試験では理系専門の問題が用意されていたり、エントリーシートには研究内容を記載してもらうため、記入スペースが大きめに取られていたりします。
面接においても、会社の志望動機や特技などを聞かれる一般面接の形だけではなく、技術面接というものもあります。それは大学での研究内容を説明するものや、技術的な知識を問われたりするものがあります。
先ほども書いたように、理系出身の学生にはより専門的なことが求められます。
そのため、理系には大学推薦もあります。それは優秀な学生を確保するための一つの手段です。
しかし、推薦は旧帝国大学など有名大学で実施されていることがほとんどです。
これらの大学は歴史が古く、これまでも有名企業にたくさんの人を排出してきたという実績があるからです。
このように理系の就職活動は文系と比べより専門的になるのです。
理系学生の学部卒と院卒では就職後、どのような違いがあるのか?
先ほども紹介したように理系の就職活動では専門的なことが求められます。
専門という意味では学部卒より院卒の方がより専門的な知識を持っています。
では、学部卒で就職した場合と院卒で就職した場合では、就職後どのように変わってくるのでしょうか。
最後に、学部卒と院卒の就職後の違いについて紹介します。
給料について
初任給の金額に差があります。これは就職時の年齢が違うため、当然と言えば当然でしょう。
ただ、同期で入ってきた者同士では金額に差が生まれるため、学部卒の人は不満に思うかもしれません。
仕事内容について
仕事内容はやはり院卒の方が恵まれていると言っていいでしょう。それは、研究においては院卒の方がより高度で専門的なことをやっているからです。特に研究職には学部卒の人がいきなり就くことは難しいでしょう。
このように、学部卒と院卒では就職時点では差があります。
しかし、仕事をしていくなかでこの差がなくなっていくことも多いものです。要は就職後の働き方にかかっているということです。
より早く専門的な仕事をしたいのであれば院卒の方が有利ですが、必ずしもその差は縮まらないわけではないので、大学院まで残って無理に研究したくないのであれば学部卒という選択肢でもいいでしょう。