バイトの掛け持ちがバレるのは、マイナンバー?
●マイナンバー制度の正式名称は「社会保障・税番号制度」といい、住民票を有する国民(住民票を有する外国人も含む)に
12桁の個人番号(マイナンバー)が割り当てられます。この番号は一生変更されません。
マイナンバーは「社会保障(年金・福祉・医療)」「税」「災害対策」などの法令で定められた手続きにのみ
使用することができるものです。特にこの「税」に関する部分が皆さんの心配されるところになります。
バイトで勤務している会社は、行政に提出する書類(社会保険や賃金の支払い報告書など)に正社員およびバイトの
マイナンバーを記載することが求められています。
ですので正社員、バイトに関係なくマイナンバーを通知する必要があります。
もし通知しなかった場合でもバイト本人には罰則などはありません。
しかしバイト先の会社から悪い印象を受けるのは間違いありません。
なお、バイト先へのマイナンバーの通知と本業の会社への副業がバレてしまう事とは直接の関係はありません。
マイナンバー制度以前から本業の会社には源泉徴収すべき住民税の税額(副業も含めた住民税額)が
通知されていましたので、会社が支払っている給料に対する住民税よりも多かった場合、
本業の会社の経理担当者には副業をしていることがわかる仕組みがあったのです。
バイトの掛け持ちがバレる? マイナンバーの仕組み
1)本業およびバイトの勤務先にマイナンバーを通知しないといけない。
2)副業のアルバイトでも収入額により確定申告が必要。
3)確定申告の方法により、本業の会社にバイトをしていることがわかってしまう場合がある。
まず、
1)勤務先にマイナンバーを通知しないといけない。
これは勤務先が従業員(バイト含む)のマイナンバーを行政への提出書類に記載の義務がありますので、避けられません。
2)収入額により確定申告が必要。
これはマイナンバー制度導入前からあったものですが、収入が20万円を超える場合、確定申告が必要です。
20万円以下の場合、住民税の納付が必要になります。
3)確定申告には二つの方法があり、普通徴収(自分で収める)と特別徴収(給料から天引き)があります。
給与所得の場合、バイト収入は特別徴収になるようですので、本業の勤務先には本業以外の所得がバレてしまう可能性が高いと言えます。
マイナンバー制度のために、バイトの掛け持ちがバレるようになる訳ではありませんが、所得に対してより公平な課税の方向に進むということは言えるかと思います。
バイトの掛け持ちがバレる?マイナンバーの影響
マイナンバー制度の開始によって、本業以外にバイトを掛け持ちされていて、副業が本業の会社にバレてしまうことを心配されておられる方が多いようですが、基本的にはマイナンバー制度が開始されたことで、直接的にバイトの掛け持ちがバレるという事は、ほとんど無いと考えられます。
しかし、マイナンバー制度の導入によって、例えば確定申告の必要がある方(収入が20万円を超える方)は、必ずしておきましょう。
申告していない場合、マイナンバーの導入によって税務署に見つかりやすくなりますので注意が必要です。
また、一時話題になりました副業でホステスさんのバイトをされている方については、クラブなどの経営者は、年間50万円を超える報酬を支払った相手のマイナンバーを支払調書に記載しなければなりません。
また、ネットオークションやメリカリでの販売やアフィリエイト(ブログの広告料)、クラウドソーシングでの文筆活動などで報酬を得ているサラリーマンらも注意が必要です。
それと外国人の方も住民登録をされておられる方は、マイナンバーを交付されます。
現金手渡しでは、バイトの掛け持ちはバレない?
副業のバイト先からの給料を銀行振り込みでなく、手渡しで受け取ればマイナンバーが関係していないので、バイトの掛け持ちがバレないという話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは間違いです。
副業のバイト先は銀行振り込みでも手渡しでも、お金の支払いが生じた場合、「誰にどのような名目でいくら支払ったか」を申告しなくてはならないからです。
それとこれまでマイナンバー制度によりバイトの掛け持ちがバレるのではないかという観点からいろいろ調べてみましたが、マイナンバー制度により直接バイトの掛け持ちがバレるということは無いようです。
しかし、申告しなくてはならない税金を申告しなかったような場合、マイナンバー制度によりこれまでより簡単に税金逃れがわかるようです。
もし税金逃れが発覚すれば「延滞税」「無申告加算税」「過少申告加算税」などが課せられます。
それと、これまでに申告していなかった分の税金がまとめて請求されます。
マイナンバー制度のメリット
これまでマイナンバー制度と、バイトの掛け持ちがバレることの可能性についてお話してきましたが、改めてマイナンバー制度のメリット・目的について、まとめてみました。
- 公平・公正な社会の実現
- 国民の利便性の向上
- 行政の効率化
税金に関係するのは1の「公平・公正な社会の実現」です。
これには税の負担を不当に免れることや、給付金などの不正受給の防止を目的としています。
マイナンバー制度は、バイトの掛け持ちを見つけるためではなく、支払うべき税金を公平に負担するという意味合いが大きいですので、確定申告が必要な方は是非申告していただきたいと思います。
マイナンバー制度が導入されたこの機会に、あなたの税金に対する考え方を変えてみるというのもいかがでしょうか。