職場の後輩が無視するなど、最近問題になっている逆パワハラとは
パワーハラスメントというと上司が部下に対して行う嫌がらせなどの行為ですが、その逆である「逆パワハラ」と呼ばれるパワーハラスメントも最近では問題になっているようです。
それは「先輩・後輩間」や「同僚間」でのいじめや嫌がらせのことを言います。
一般的にパワーハラスメントと言われる行為には次のようなものがあります。
- 身体的な攻撃(暴行や傷害など)
- 精神的な攻撃(脅迫や暴行など)
- 人間関係における疎外(隔離や仲間はずし、無視など)
- 過大な要求(業務上明らかに必要ではないことや不可能なことを強制してやらせる、仕事を妨害するなど)
- 過小な要求(業務上、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事をやらせないなど)
- 個人への侵害(プライベートのことまで過度に立ち入るなど)
このようなハラスメントが発生すると、仕事の生産性が低下し、最悪、社員が退社に追い込まれることもあります。
このようなリスクを避けるためにも、企業はこういったパワーハラスメントを課題にして取り組んでいます。厚生労働省も実態調査や指導に力を入れ始めています。
逆パワーハラスメントの実態とそれに対する対処法
実際に逆パワハラされている現場の様子を紹介します。
ある職場の男性(31歳)は2ヶ月に1回の割合で後輩の女性(27歳)に無視されるそうです。
無視されるまでは普通に会話しているそうですが、突然無視され、それが長くて1ヶ月くらい続くそうです。そして、しばらくすると元に戻るのだとか。
男性は後輩の気に触るようなことはしないように会話に気をつけているつもりのようですが、無視されてしまうようです。男性としては原因がわからず、どうしていいのか分からないとのこと。
ここからはこれに対する対処法なのですが、原因が自分で分からないのであれば、後輩に直接聞いてみるのがいいでしょう。
もし、それがどうしてもできないのであれば、後輩と仲が良い同期などにさり気なく聞いてみるのも一つの手です。
ひょっとしたら、後輩に対する噂を自分がしているというデマを聞いただけかもしれません。もしくは後輩の性格上の問題が原因かもしれません。
実際に聞いてみて、自分に原因があるようだったらそこを改善すればいいですし、自分ではどうしようもない場合は、仕事に支障が出ていないのであれば放っておいてもいいでしょう。どうしようもないことに自分が振り回されてしまう必要はありません。
後輩が無視するなどの逆パワハラの原因は経験の違いであることも
逆パワハラは部下が上司よりも経験や能力が上回っている場合でも起こりやすいものです。
たとえば、職場での仕事経験年数が部下の方が長かったり、ITに関する知識は部下の方が詳しかったりする場合は、部下の態度が大きくなり、上司をばかにするような態度となってしまうことがあるのです。
これが悪化すると、管理職である上司が仕事を決めるところを、部下が勝手に同僚に仕事を割り振ったりという行為まで発展することがあるようです。
また、逆パワハラを受けた上司は精神的なダメージを受け、仕事を休んでしまうことにもなりかねません。
さらには現場の社員の結束が強い職場では、「現場の社員」対「管理職」との構図が生まれ、部下が結束して上司に逆パワハラをすることもあるようです。
こうなると、会社としての機能がまったく働かなくなります。こうならないために、会社としてもパワハラだけではなく、逆パワハラに対しても課題として取り組まなくてはいけなくなっているのです。
職場の部下や後輩の無視に対する3つの対応方法
職場の後輩や部下から無視されたとしてそのままにしていては仕事に支障が出てしまいます。会社は仕事をする場所です。仕事が滞ってしまっては会社に不利益をもたらしてしまいます。
そうしないためには会社だけに頼るのではなく、自分から対応していくことも必要でしょう。
ここでは、その対応方法を3つ紹介します。
対応方法その1:無視された相手に歩み寄る
自分に非がないと思っていても、実は相手にとって失礼なことをしていたのかもしれません。
このような場合は、無視されているからといってこちらも避けているのではなんの解決にもならないでしょう。逆にこちらから積極的に歩み寄ってみることが大事なのではないでしょうか。
少しずつ歩み寄って、関係が改善してきたところで理由を聞いてみるといいでしょう。
対応方法その2:中立の立場をとる
特定の人ではなくグループで無視された場合は、対立せずにあくまで中立の立場でいることも一つの手です。
あくまで仕事と割り切って、仕事に関するコミュニケーションだけをとるようにするのです。
いわば、無視して人間関係に悪影響を与えている人は仕事に対して「プロ意識」のない人とも言えます。そんな人に関わるよりも、中立の立場で仕事をした方がずっと会社のためになるでしょう。
対応方法その3:徹底抗戦する
これはあまりおすすめの方法ではありませんが、自分を無視する人に対して真正面から立ち向かってみるのも一つの選択肢ではあります。
上司や人事などに相談してみるのも一つの手でしょう。
しかし、この方法は人間関係をさらに悪化させてしまう可能性があるため、かなりリスクが高い方法と言えます。
他人をナメている後輩に職場で無視されないために必要な態度
そもそも先輩を無視するような後輩は人をナメているものです。たとえ、先輩よりも自分の方が経験や知識が豊富だったとしても、それに対して無視するような態度をとることは社会人として失格です。
このような後輩には、社会人として毅然とした態度で接するすることが必要です。
そこでここでは、他人をナメている後輩に無視されないために、どのような態度をとっていくべきか紹介します。
しっかりと強く叱る
生意気で他人をナメている人は、こちらが甘い態度をとると、つけあがってさらに生意気になってしまうものです。
だから、そうさせないために、こちらも強い態度でのぞむようにしましょう。それにはしっかり強く叱ることが効果的です。
その時、その態度が会社組織やチームにとってデメリットになることを強く強調し諭しましょう。
必要最低限のコミュニケーションにとどめる
叱ってもなかなか改めようとしない後輩もいるでしょう。あまりにタチが悪い場合には、距離を置くのも一つの手です。必要最低限のコミュニケーションにとどめ、できるだけ付き合わないようにするのです。
後輩としても先輩に距離をおかれるのは困ってしまうものです。時間はかかるかもしれませんが、自分の態度が悪いことを自覚して、だんだんと改善されていくでしょう。
仕事で結果を出し、後輩から尊敬される
後輩が、ある程度学歴があったり、器用だったりすると、先輩をナメてかかるときがあります。
しかし、それはあくまでこれまでの話。仕事ではどうかはわかりません。このような後輩に対しては自分の仕事ぶりをしっかり見せることが大事です。
その時にしっかりと結果を出すようにしましょう。そうして、後輩に「この先輩を敵に回すとまずい」と思わせてしまうのです。
先輩をナメるような後輩は、どこか勝手に自信を持っていて上から目線で見ているものです。そのような自信は仕事では通用しないことを見せつけることが必要でしょう。