正社員を退職するのはもったいない理由その1〜正社員のメリット
正社員として働いているのであれば、退職するのは少し考えたほうが良さそうです。
それには、正社員として次のようなメリットがあるからです。
- 契約期間の定めがないため、基本的に定年まで雇用される
- 昇給
- 昇格に加え、賞与や退職金が支払われることが多いため、得られる賃金が多い
- 福利厚生がある
何より一番のメリットは、契約期間が定まっていないことでしょう。非正規社員は契約期間が決まっているため、今の仕事の契約期間を更新しないと、次の仕事を探さなければいけなくなってしまいます。
そういった心配がない正社員は安心して働けます。安心して働けるということは、精神面において重要なことです。これは、正社員の一番のメリットと言えるでしょう。
また、非正規社員に比べて正社員のほうが任される仕事もより責任があることが多いものです。これは転職する際にも有利に働きます。
正社員にはこういったメリットがあるのです。
正社員を退職するのはもったいない理由その2〜生涯年収
先ほど紹介したように、正社員では非正規社員に比べて得られる賃金が多くなります。
ですから、生涯年収にも違いが出てきます。
では、正社員と非正規社員で生涯年収でどのくらいの差が出てくるのでしょうか。
ここでは、厚生労働省が平成26年に発表した「賃金構造基本統計調査」を元に、その差を紹介します。また、ここでは女性の場合に絞って紹介していきます。
まず、女性が正社員で60歳まで中断することなく働き続けた場合の生涯年収の平均は約1億4,500万円と推定されています。
一方、契約社員や派遣社員のような非正規社員として60歳まで働き続けた場合の生涯年収の平均は約9,900万円とされています。
ここから算出すると、正社員と非正規社員の間には、約4,600万円の生涯年収の差があるということになります。
やはり、生涯年収を見ても、正社員を退職するのはもったいないということがわかります。
もったいないけれど、それでも正社員を退職したくなる理由
ここまで正社員を退職するのはもったいない理由を紹介してきました。
ただ、正社員として働いていると退職したいと思うこともあるものです。その理由にはどういったことがあるのでしょうか。
残業を断ることができない
正社員として働いていると、基本的に上司の指示に従わうことになるため、残業の命令などがでると特別な理由がない限り、断ることができません。
その結果、残業時間が増えることになり、全体の労働時間も長くなってしまいます。
正社員は労働時間のコントールがしにくいのです。
責任が重い
先ほども紹介したように、正社員は非正規社員に比べて責任の重い仕事を任されることが多いものです。
その結果、仕事にプレッシャーを感じ、ストレスを抱えたり、体調が悪くなってしまったりする人もいるようです。
仕事に慣れてきたとしても、上に上がるにつれて仕事の責任は重くなってきますので、仕事のプレッシャーからはなかなか抜け出せないでしょう。
上司を選ぶことができない
正社員だと一緒に仕事をする上司を基本的に選ぶことができません。その上司の下についたら、しばらくの間はその上司の下で働かざるをえないのです。
非正規社員であれば、契約延長の際に職場を変えてもらうなどできますが、正社員の場合は特別な理由がない限り、それはなかなかできません。
もったいないとは言えない!正社員でも退職すべき企業も!
先ほどは正社員でも退職したくなる理由を紹介しました。
ただ、先ほどの理由はまだある程度我慢できることもあるものです。
しかし、ここで紹介することに該当する場合は、本当に退職を考えたほうがいいでしょう。
それはブラック企業に勤めている場合です。
ブラック企業といえば、イメージとして思い浮かぶのが「長時間労働」でしょう。毎日深夜まで働き、休日出勤も当然のようにやらなければいけないという状態であれば、注意したほうがいいでしょう。
一時的に忙しくなる会社はあるものです。ただ、深夜残業、休日出勤が日常茶飯事であれば、それはブラック企業と言ってもいいでしょう。
そして、このような会社の特徴としては、タイムカードや勤務日報を違法に改ざんさせ、正しい労働時間をわからなくさせているところが多いものです。
また、「みなし労働時間」として、一定の残業分の給料は支払われているものの、実際にはそれ以上の時間働かせている場合も要注意です。
自分の会社がブラック企業か判断するには、給与明細をしっかり確認することです。
給与明細には労働時間や時間外労働手当、深夜残業手当などが記載されていますから、それらがきちんと支払われているか確認しましょう。
もし、それらの数字で怪しいところがあれば、ブラック企業の可能性が高いでしょう。
正社員を辞めることを考え出したら注意しておきたいこと
正社員を退職するのはもったいないということを中心に紹介してきましたが、退職することを真剣に考えているのであれば、次のことに注意しましょう。
退職後、生活するのに十分な貯金があるかどうか
退職してすぐに別の会社に就職できればいいですが、もし次の会社が決まっていないようであれば、それまでの生活費が必要となります。
退職すれば、一応、失業保険が支給されることになりますが、実際に支給されるまでには時間がかかります。それまでの生活費として最低でも15万円は貯金しておいたほうがいいでしょう。
退職することを真剣に考え出したら、まずは今の貯金が今後の生活する分あるのか確認しておきましょう。
転職できるスキルや経験があるか
退職後、別の会社に転職することになる人がほとんどでしょう。
転職する際には、それまでの経験や培ってきたスキルが重要視されます。
退職することを真剣に考え出したら、転職できるスキルや経験が他者にも通用するのに十分あるのか確認しておきましょう。