病気により退職する際に診断書は必須?
会社を病気が原因で退社する場合、病気の診断書の提出を促されることがありますが、実はこの診断書は必ずしも提出する義務はないようです。
基本的には、どんな理由で退職する場合であっても退社希望日の2週間前までに会社に退職の意向を伝えることで、法的には退職することは可能です。
会社によっては退職届を受理しないケースもあるようです。
その場合は会社宛てに内容証明という形で送付すれば、受け取り完了となります。
しかし、この方法は極論とも言えるため、会社と修復不可能な問題が発生した場合以外は、おすすめできません。
病気理由の退社であれば、よほどの問題がない限り会社の方針に沿った方法で、退社する方がよりスムーズに進むことでしょう。
会社が診断書の提出を促すのであれば、できる限り早急に用意をして、退職の準備を始めましょう。
精神的な病気で退職する時の診断書は?
最近はストレスや過重労働などによりうつ病などの精神疾患を患う方が増加しています。
それに伴い、会社を退社する方も年々増えています。
とくに精神疾患で会社を退社する場合には、見た目に分かりづらいため、病院での診断書によって証明する場合があります。
多くの場合は、一身上の都合により退社する意を伝えることになるので、自分の病歴や病状を会社に伝える必要はありませんが、退社前に休職したい場合・会社都合で辞めたい場合・労災に申請する場合などは、自分の病気についてしっかり提示しておく必要があります。
退社後に退職理由を変更することはできますが、元の会社に連絡したり、事務手続きの訂正したりと時間と労力をかけることになってしまうので、滞りなく退社するためには退社前に診断書を提出し、退職に対する自分の意向を伝えておきましょう。
退職に必須!病気の診断書の発行にかかる期間
病院に診断書を発行してもらう場合、たいてい初診で診断書が発行されることはありません。
骨折や火傷などの外傷の場合であれば、即日診断書が発行されることもありますが、検査が複数必要な病気や精神疾患などは、何度か通院することが必要になります。
特に最近増加傾向にある精神的な病は、
- 統合失調症
- うつ病
- 不安障害
- 強迫性障害
- パニック発作
- 精神障害
など、ご紹介した以外にも様々な疾患があり、診断も慎重になります。
精神疾患は、重複する点や症状が似ているため、病名の診断が下るまでにある程度の期間を有するようになるのです。
そのため、その何らかの精神疾患が理由で会社を退社する場合には、診断が下りてからでは症状や病状が悪化してしまうことがあります。
病の原因が会社であると感じるのであれば、診断書を待たずに、一身上の都合で退社する方がよりスムーズに辞めることができるでしょう。
退職時には有効?病気に診断書の有効期限
病院から発行される診断書に法的な拘束力がないため、定められた有効期限などはありません。
しかし会社から病気の診断書の提出を促された場合、会社から「〇ヶ月以内」という指示があれば、その指示された期間が「有効期限」ということになるため、その期間に発行された診断書を提出するようにしましょう。
有効期限がなく、会社からの指定がなかったとしても、あなたが会社を辞めるに至ってしまった、現在の健康状態について確認する書類になるので長くても3ヶ月〜6ヶ月以内に発行された診断書を提出することをオススメします。
病気により社員が会社を退社する場合、状況によって労災や裁判問題にまで発展してしまう可能性があるので、会社に病気退社として受理してもらいたいのであれば、一般的な感覚の範囲内に発行された診断書を提出するようにしましょう。
病気で退職…診断書を提出する理由
以上のことからも、会社を病気退社する場合に必ずしも診断書を提出する必要もなく、会社から提出を促されても提出義務もありません。
ではどういった時に診断書を提出するべきなのか…
それは病気の原因が就業によって生じた場合、退職前に申請することで傷病手当を受け取ることができるようになるからです。
この傷病手当は、病気により4日以上欠勤が続いてしまい、仕事に従事できない状態である場合に支給が可能となります。
受理されれば最大で1年半もの間、手当てを受け取ることができるようになります。
特に精神疾患が原因で会社を退職する場合には、会社と揉めずに辞めたい…と本当の退職理由を隠して退職する方も多いようですが、傷病手当があれば退職後の生活でお金の心配をすることがなくなるため、療養や転職も余裕をもって行うことができます。