国際結婚で日本に移住するカップルの動向
近頃では、若年層の人口の減少と初婚の結婚年齢の高齢化に伴って、日本人同士の結婚は減少傾向にあるようです。
その一方で、日本人の国際結婚は急激な増加傾向にあります。
統計によると、日本人の国際結婚数は、1970年には5,500件程度に過ぎなかったものの、2000年には3万件以上にも上っています。
つまり、日本人の結婚件数に占める国際結婚数の割合は、かなり高い印象を受けます。
日本と外国との人的交流が近年盛んになり、それによって国際結婚に至るケースが増加しているものと思われます。
また、国際結婚数が増えることに伴い、その離婚件数も増加しています。
総結婚数に占める離婚数の割合が4%程度であるのに対し、国際結婚による割合は7%台と、数字の上でも高い割合を示しています。
その原因としては、やはり文化などの違いによって、結婚生活が破たんしやすいのかもしれません。
国際結婚で日本に移住する際に必要な手続き
外国人配偶者が日本に住むためには、どのような手続きが必要なのでしょうか。
まず、外国人配偶者が日本に入国して住むためには、ビザと在留資格が必要です。
一般的には日本人配偶者あるいはその家族が日本にいて、事前に日本国内で在留資格を取得し、外国でビザを申請して入国します。
ビザと在留資格とは、以下にご紹介する通りです。
1.ビザ
ビザは、パスポートが有効であるという確認の意味と、一定の条件の下で日本に入国しても問題がないという推薦の意味があります。
外国人配偶者が、外国にある日本大使館もしくは総領事館で必要書類を提出して申請します。
2.在留資格
法務省の入国管理局の下で、入国審査を受けた外国人が日本への入国の許可を得た時に与えられる資格であり、この在留資格を得たことで、日本への入国、滞在ができるようになります。
日本人の夫か妻またはその家族が、その住まいのある地方入国管理局で必要書類を提出して申請します。
国際結婚の外国人配偶者の在留期間は限られていて、それを過ぎる場合には更新手続きをすることになります。
国際結婚で日本へ移住するには、観光ビザが不適切な理由
国際結婚で日本に移住する場合、外国人配偶者が観光ビザで日本に入国し、その後入国管理局に申請して観光ビザから配偶者ビザに変更したらいいのではないか、とお考えの方もいるかもしれません。
しかし、外国人が持っているビザを他のビザに変更する「在留資格変更許可申請」においては、入管法(出入国管理及び難民認定法)において厳しく規定されています。
それによると、観光ビザを他のビザに変更することは、やむを得ない特別な事情がない限りできないことになっているのです。
つまり、観光ビザで入国した外国人配偶者と結婚後にそのビザを配偶者ビザに変更することは、原則できませんので、注意が必要です。
しかも、観光ビザから配偶者ビザへの変更を申請した場合、審査にかかる一定期間において仕事はもちろん、さまざまな市民サービスが受けられないなどの不都合が生じます。
そのため、やはり日本人の配偶者等の在留資格、いわゆる配偶者ビザを取得しておくべきです。
国際結婚で日本へ移住する際には、相互理解が大切
結婚するときには、お互いが日本人同士であっても、考え方や価値観などが違ってきますよね。
まだ結婚していない、お付き合いをしている段階では気にならなかったような些細なことも、結婚生活が始まると気になってきて、やがてそれが原因で離婚に発展することが多いものです。
ましてや国際結婚となると、その違いの大きさは比較にならないでしょう。
言葉の違いはもちろんのこと、文化や性格の違いに関して、お互いを理解しあうという姿勢が重要になってきます。
お互いが十分に理解しあえず、そしてもし2人の相性が合っていなければ、結婚生活はやがて破たんしてしまいます。
こうした相互理解を十分に行うには、相手の性格をある文化特有の行動パターンから読み解くことが、国際結婚には大切です。
これは、ある行動を行った場合にはある感情を抱いている、という決まったパターンを知っておくというものです。
国際結婚で日本に移住する時に感じる苦労について
1.食文化の違い
夫婦の間で食べ物が合わないという問題があることも多いようです。
食の好みの違いというのは、一見小さいことのようですが、夫婦にストレスを感じさせる原因となります。
宗教上の理由、あるいは日本食が嫌いなどというケースもあります。
特に欧米人女性は日本食のメニューが作れないという人が多く、日本人の夫としては不満が溜まることが多いと言われます。
2.手続きの多さ
国際結婚では、婚姻届けなど様々な手続きに関して、日本人同士の結婚と違って手続きが複雑で多いのも苦労の一つです。
特にビザの更新は面倒な上に必要な書類も多く、費用もかかり面倒なものです。
3.周囲の偏見
外国人が日本に住むと、どうしても周囲の目が気になるものです。
文化や言語、肌の色などの違いから、偏見も生じてきます。
そのため、日本人の配偶者が、しっかりと温かくフォローする気配りが必要です。