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仕事も私生活にも悪影響…不安感から来る確認障害の問題点

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何度確認しても不安…仕事での対策

確認障害は強迫性障害の一種です。

強迫性障害の中には、必要以上に何度も確認をし続けるタイプだけでなく、不潔恐怖なども含まれ、多種多様な症状があります。

業務上の工夫①他の人によるチェックにお任せする勇気を持つ

私はその時、管理職ではなく、私が扱う全ての書類について他人にチェックが入る体制になっていました。

もし自分だけで完璧にチェックできていなくても他の人がチェックしてくれる。

もし他の人のチェックが入らずそのまま書類を提出しても不備があったら私に連絡してくれる。

というようなセーフティネットが厳重に張られているという事実を折に触れ思い出すようにしていました。

業務上の工夫②最初の確認を確実に

確認障害のため何度も確認してしまう時というのは、確認すればするほどますます不安は増していってしまいます。

何度も確認してしまうのは、先ほどの確認でどうしても漏れがあるかもしれないと考えてしまうし、何度も確認するうちに確認行為の記憶があいまいになるとも言われています。

だから気合を入れて最初の1回のみでしっかり確認を済ませ、後は他の人のチェック体制にお任せしてしまう勇気を持つという方法が最上だと思われます。

仕事に私生活に不安…確認障害で生じる影響

強迫性障害の方の体験談を紹介します。

「普通は外出してレストランなどで食事をした時、忘れ物をしないようにチェックする程度だと思いますが、私の場合は一度確認したのに、本当に忘れ物がないか再度確認してしまいます。

業務上の書類作成の時、記入事項にミスがないかちゃんと確認するのは常識ですが、私は記入漏れがないか不安に感じ、保管済の書類を再度出してきてまで確認してしまうのです。

また手についた汚れが洗ってもまだ落ちていないような気がして念のため再度丁寧に洗うというだけにとどまらず、潔癖症で手を洗うという行為をいつまでも終えることができません。

戸締りの時も、念のためもう一度鍵を掛けたかをちゃんと見るくらいは当たり前でしょうが、私は閉めたことは分かっているのに、本当に扉が開かないか力を入れて確認したため、腱鞘炎になってしまいました。

さらに普通の人でもゴミ捨ての時、うっかり大事な物をゴミ箱に入れてしまっていないか不安に感じることはあるかもしれません。

私はその不安が大きすぎてゴミ箱の中を実際に漁ってしまいます。

水道の栓をきちんと閉めたか再度見ることは通常よく行われていますが、私は水栓をしっかり閉めたことがわかっているのに、まだ水が出ているのではないかと不安になり、一度離れてからも戻ってきて確かめることもあります。

前の職場にいた時、このような症状が段々ひどくなり、仕事中に確認が多過ぎて支障が出てきました。

仕事そのものに集中するというより、確認をしていることが周りにバレないように努力したり、不安感が強くなり過ぎて精神的に疲れてしまった結果、仕事を辞めてしまいました。

自宅での確認は特に問題とはならないのですが、業務中は確認ばかりしていると仕事に集中できずお手上げ状態になってしまいました。

中学生の頃から潔癖症だとは思っていましたが、子供時代にはそういうこともなかったので、その頃に戻りたいという気持ちがあります。」

仕事で不安…確認障害の実例

「認知行動療法」の実施例としてKさんの場合をご紹介します。

「不安が強すぎてついつい何度も確認してしまう」

Kさん(25歳)はプログラマです。

中学生の頃からのプログラミングへの興味がそのまま続き、プログラマとして就職しました。

元々性格が几帳面で細かい仕事が向いていると自分でも認識していました。

しかしミスを見落としてしまったことを先輩にひどく叱責されたことがきっかけで、自信喪失状態に陥ってしまいました。

それ以来ミスを恐れて必要以上に確認を繰り返すようになり、仕事の能率もひどく落ちました。

それでも締め切りがあるので深夜まで残って仕事をこなさねばならなくなりました。

疲労が蓄積し集中力も失せ、ますます不安な状態が強くなりました。

帰宅しても仕事のことが頭を離れずに不眠がちとなり、終いには過労で体調不良となり、相談にいらっしゃることになりました。

認知行動療法的には、Kさんは「仕事中にも不安が段々強くなって、もう済ませた部分を何度もチェックせずにいらず…」と疲労困憊した様子です。

当然仕事を仕上げる時には確認することは重要ですし、慎重であることも大事です。

しかしKさんの場合はそれが行き過ぎてしまうのです。

まずはご自分の状態を客観的に見直して頂きました。

具体的にはKさんの状況は、Kさんの個人の内的体験と環境との相互作用であり、またKさん自身の認知、気分、行動、身体的反応がお互いに影響しあっていることを理解して頂きました。

①認知について、Kさんはミスは絶対に許されないという認識を持っています。

確認や慎重さというのはミスを防ぐという点で良いこと、良い行動であると思っています。

②気分・感情的には、締め切りに間に合うだろうかという焦燥感や不安を感じています。

③行動の状況は、ミスを完全になくすために確認を繰り返すことで時間がかかります。

④身体的反応について、疲れと不安が蓄積し眠れなくなっています。

そしてこれらが悪循環になってしまっています。

仕事中も不安で何度も確認…作業効率にも影響が!

強迫性障害の影響として、仕事の効率が落ち、時間がかかるようになります。

次のケースはそういう症状に悩まされている方です。

詳しく内容を見ていきましょう。

この場合は20代の男性ですが、実際には男女どちらもあり広い年齢層でこの症状で悩んでいる方がいます。

この男性は出社するとすぐに机の中身をチェックします。

その後に仕事を始めるのですが、1日に予定されていることや仕事内容をチェックしますが、これが1〜2回で終わることはなく、仕事に手がつかないうちにもう時間がたってしまっています。

続けて取引先に提出する見積書に取り掛かりますが、完成した書類にミスがあるのではないかという恐れのため、本来1回で済むはずのチェックを2〜3回も繰り返してしまいます。

金額のミスで取引先に決められた価格よりも安く販売してしまうのではないかと不安なのです。

4〜5回もチェックをしてもまだ不安ですが、仕方なく次の業務に移ります。

しかし次の業務でも同様で、ひどい時は、終わったはずの業務に戻って再度チェックします。

当然仕事に時間がかかり過ぎ、毎日上司から叱責を受けます。

そういう状況だと彼はなおさらミスを犯すことを恐れるようになり、不安が不安を呼び、確認作業はますます念入りになっていきます。

仕事も私生活も不安…確認行為を緩和するためには

1)自分の状態を把握する

何が強迫観念か、強迫行為かをじっくり観察して把握します。

例えば同じ強迫行為による確認のように見えても、強迫観念の内容によっては違うアプローチを取ります。

・確認の最中に、心の中で例えば「5つ数えたら良しとする」と考えるように、強迫観念に対応した考えを心の中で唱えることも強迫行為なのです。

・つい確認したくなるものや場所(確認行為を呼び起こす所)に直面することから逃げることも回避という強迫行為になります。

2)行動実験

強迫観念で恐れるような事実が本当にあるのか実験してみます。

①検証作業を行います。

例えば服に何かが着いてしまうのが不安で、服の裏までチェックする人は、本当に何かが着くという状況があるのかを検証します。

②わざと過ちを犯してみてどうなるか

安全が確認できる範囲で、意識的に鍵をかけずにおく、火を消さずにおく、誤った内容を書いてみる、忘れ物をあえてそのまま放置しておくといった実験をします。

実際に過ちをしてみた場合の不安というのは、観念上の不安と比較するとわかりやすいかもしれません。

3)暴露療法

一気にすべての強迫症状をなくすことは無理があります。

そこで自分の症状を洗い出し、不安階層表を作成してそれを参考にしながら実施していきます。

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