モラハラの被害者って、どんな症状がでるの?
モラルハラスメント(モラハラ)というと何となく難しく感じますが、モラルとは倫理や道徳のことを指し、これらに関連したハラスメント、嫌がらせということになります。
言いかえれば「大人のイジメ」と言うとイメージがわきやすいのではないでしょうか。
さて、その症状ですが、精神的に追い詰められますので、さまざまなストレス症状が現れます。
例えば、常にイライラする、倦怠感、無気力、不眠、食欲不振などです。次に抑うつ状態になっていき、そして「うつ病」に発展してしまうこともあります。
しかし、モラハラを受けている本人はモラハラを受けているという認識がないという場合が多いようですので、精神的なストレスや抑うつ状態など自分でも少しおかしいと気づいたら、モラハラかもしれないと自問自答してみてください。
ただモラハラを受けて少し症状が進んでくると、思考能力や判断力が落ちてきていますので、難しい場合があるようです。
それとモラハラは家庭内でも職場でも起こる可能性がありますので、ご注意ください。
モラハラ被害者の症状は様々!モラハラの目的とは?
モラハラの加害者の心理状態や目的とはどんなものがあるのでしょうか?
まず、自分がモラハラをしていると自覚せずに行なっている場合があります。
次に、相手を指導するために正しいことをしているという認識はあるのですが、それがモラハラになっていると気がついていないことがほとんどです。
さらにモラハラかもしれないと自覚はあったとしても、モラハラではないと正当化している場合など、さまざまな心理状態があります。
次に、モラハラを意識してやっている人の目的ですが、自分のストレス発散のための対象、優越感を得るための道具、相手を支配したいというもの、自分勝手にライバルと思う人を蹴落とすため、自分の思い通りにならない人への復讐のため、などなど多くのものがあります。
ただ基本的に、モラハラの加害者というのは、意図的、無意識にかかわらず、やはり何らかの精神的な欠陥があると考えて差し支えないと思います。
モラハラの被害者の症状の進行具合
モラハラの被害者は、なかなかモラハラに遭っているという自覚を持っていない場合も多いようですが、心にダメージを受けていきますので、徐々に悪くなってしまい重症化していく場合が多いようです。
また、加害者側もモラハラをしているという自覚なしに行なっている場合もありますので、状況は複雑です。
モラハラは、家庭でも職場でも起こるものですし、また症状はさまざまなものがあります。
代表的なものとして、まず、ストレスによる精神的なダメージのため、身体の具合が悪くなっていきます。
次に、抑うつ状態になり、私は価値のない人間だとか、自分がすべて悪いと考えてしまうような自己否定などの症状が現れます。
されに進めば個人差はありますが、うつ病、対人恐怖症、自律神経失調症、強迫性障害などの症状が出る場合があります。
モラハラの被害者になりやすい性格とは?
モラハラの被害者には、性格的な共通点があります。
典型的な例を挙げてみますと、
- 素直で謙虚。
- 真面目で几帳面。
- 自分の意見よりも相手に合わせてしまう。
- 何かトラブルがあると自分が悪いのではないかと考え込む。
- トラブルがあると自分が我慢すればよいと信じている。
- 自分に自信がない。
などです。
このような性格の方が、毎日のように執拗にハラスメントをされると、少しずつですが、確実に深みにはまり込んで行ってしまいます。
またハラスメントを受けて精神が萎縮してしまうと、どうすればハラスメントから逃れることができるのかという考えもうかんでこなくなってしまいます。
それとハラスメントを受けているという自覚も無い場合も多いようです。
最近多くなっている夫婦間のモラハラでの妻の性格的な特徴が、これらによく当てはまるのではないでしょうか?
でも、自信過剰な妻からモラハラを受ける夫というケースもありますので、被害者は男性の場合もあります。
モラハラ被害者の陥る心理状態とは?
モラハラ被害者の心理状態として一例を挙げてみます。
1)罪悪感:加害者から「おまえが悪い」とか、「おまえに責任がある」とか言われると罪悪感を感じてしまうような状況に追い込まれています。
2)混乱:被害者は、加害者からの仕打ちに全然一貫性がないので、次に何が起こるかわからないという不安がつのってしまいます。
また、恐怖による極度の緊張状態におかれるため、身体的にもストレスによる不調がでてきます。
3)過剰反応:加害者から自分の身を守るために、加害者に逆らわないような行動や思考パターンをとるようになります。
4)八方塞がり(アリ地獄):何をやっても加害者の気に入るようにできないので、八方塞がりの状態になってしまいます。
5)アイデンティティのゆらぎ・崩壊:加害者からのさまざまな攻撃のために、自分というもの自体が崩壊する危険性に直面してゆきます。
6)降伏:何をしても加害者から攻撃を受けるような事態に長期間直面してしまうと、もう何もできないような精神状態に追い込まれてしまいます。
7)人間性の崩壊:加害者による長期間の度重なるハラスメントは、被害者の人間性を潰してしまいます。
さらに、別の被害者への加害行為を行なってしまうような場合もあるようです。
モラハラ被害者の症状を治療する方法は?
モラハラから回復するためには、大きく二つの方法を行なわなくてはなりません。
まず、加害者との接点をなくす必要があります。そのためには弁護士などの法律の力を借りなくてはなりません。
もう一つは、精神的なダメージを治療するために、精神科医などの医療機関の力を借りることが必要になります。
しかし、モラハラによる精神的なダメージは、モラハラを受けていた期間やその深刻さにより、治療に必要な期間や本人が乗り越えなければならない試練もさまざまになります。
モラハラを受けていた際の精神状態というのは、ある意味正常ではありません。
場合によっては、渦中にいる時には大きな苦痛を感じなかったかもしれませんが、治療では本人がそれらの状況を自覚して、本人の力で乗り越えないと、自分のアイデンティティを取り戻すことができません。
本人にとっては非常に大きな代償を払うことになり兼ねません。しかし、避けていては自分自身を取り戻せないのです。
このようにモラハラと簡単に言いますが、それから抜け出すのには本人にとって大変な労力を費やさなくては抜け出せないものなのです。