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中学の部活で土日も休みがない問題の原因とその対策

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土日も指導を強いられる中学の部活顧問の先生の辛い実態

中学校の先生は、部活動の顧問をやることでどのくらいの負担を強いられているものなのでしょうか。

まずは、ある学校の先生に回答してもらったアンケートを見てみましょう。

質問1:部活動の指導で学校からどのくらいのお金をもらっているのでしょうか?

回答:平日は0円で、残業代も出ません。休日は4時間を超えた場合にはもらえますが、4時間以上やっても金額は変わりません。

質問2:先生が着るユニフォームは学校から支給されるのでしょうか?

回答:支給されません。シューズやユニフォームをはじめ、部活動に関する費用は全て自費です。

質問3:部活動の指導は先生がやるべき当然の仕事なのでしょうか?

回答:教員はあくまでも勉強を教えるために雇われているのであって、部活動を指導するために雇われているのではありません。あくまで善意で部活動の指導をしています。

このように、部活動の顧問をしている先生はあくまでも善意でやっていることがわかります。

そのため、平日は残業代も払われずに働いているという実態があります。

先生はあくまで勉強を教えるのが仕事であり、その他に授業準備や生徒指導など勤務時間以外でやっていることもたくさんあります。

このような実態を認識し、先生に負担をかけないやり方を考えるべきでしょう。

中学の部活で土日に練習するのは先生と生徒間の勘違いが原因?

中学校や高校では平日の朝、夕以外にも、土日祝に部活動の練習をやるところも多いようです。

ところが、この土日祝日の練習、先生と生徒の間で勘違いしているところもあるようなのです。

先生からすると「生徒がやりたがっているから」と思い、生徒からすると「先生がやりたがっているから」と思っていることも多いのです。

部活動が当たり前の世界では、先生と生徒がお互いに「みんな部活動をやりたがっている」と勘違いしていることがあるようです。

その結果を示すあるアンケート結果もあります。そのアンケート結果によると、土日祝の部活動の練習について、約3割の人はこのままでよいと答えたのに対し、残りの約7割の人は何かしらの対策をした方がよいと回答しているのです。

部活動の練習をすることは大事なことですが、土日祝の練習まで必要なのか、先生と生徒お互いに認識を合わせる必要がありそうですね。

土日も部活の練習を要望する中学生の保護者と顧問の認識のズレ

なかには生徒ではなく保護者のほうが部活動に積極的な家庭もあるようです。

そのような家庭では、保護者のほうから土日祝に練習を入れてくれるよう教員に要望する人もいるようですね。

しかし、教員のなかには土日祝は休みを取りたいと思う人もいるでしょう。この教員にとっては保護者のこのような依頼は大変な負担になります。

と言っても、保護者としては自分の子供が可愛いので、そのような要望をしてしまうのです。

では、なぜこのようなことが発生するのでしょうか。それは教員と保護者の間にある認識のズレがあるためです。

教員と保護者に対するある質問に対する回答にその認識のズレを確認することができます。

その質問では「部活動の顧問教員の負担が大きすぎるか」ということが聞かれました。
この質問に対し「そう思う」と回答した教員は65%に達したのに対し、保護者のほうではそう答えた人は15%前後でした。

しかし、教員は部活動以外にもやることがたくさんあり、保護者が思っている以上に部活動の指導にかなりの負担を感じているのです。

この認識のズレが教員の負担を増大させているのでしょう。

中学校の部活の顧問をしている教員は家族にも負担をかけている

中学校の部活動の顧問をやっている教員がいる家庭では家族のみんなにも負担をかけることがあるようです。

たとえば、長期の休暇があった場合には部活の合宿があるときもあるため、家族のイベントそっちのけでその合宿に参加する必要があります。

合宿所までは自家用車で行かなければいけない場合もありますが、その際はガソリン代は出ないそうです

。さらに合宿先で何か問題が発生したときには先生の責任が問われるため、家族の人が心配してしまうこともあるようです。

また、体育会系の部活動ではスポーツによっては教員も大会で審判を務めなければいけないときもあります。

そのときは審判資格を取得して務めることになりますが、大会は土日や休日に行われることが多く、そのため教員の家族と一緒に過ごせる時間が少なくなることもあります。

このように中学校の部活動の教師は自分だけの負担だけではなく、家族の人達にも負担をかけることが多いようです。

未来に向けてこれからの学校教育に求められること

ここまで紹介してきたように、学校の授業だけでも大変な教員の仕事は部活動の顧問をやることにより、さらに忙しさを増しています。

これに加え、社会環境の変化に対応すべく子供の新たな能力を育てることを目的として、授業スタイルもアクティブラーニングといった新しいものが取り入れられるようになり、教員の仕事はますます忙しくなる一方です。

しかし、すでに精神的な病気で休職する教員も増えてきているように、教員の仕事は限界にきています。

教員自身が時代の変化に合わせ自ら学んでいくことは必要ですが、その一方で親を含めた学校を取り巻く地域社会全体が「学びの改革」の協力者となっていくことが必要なのではないでしょうか。

そのためには、教員だけで仕事や課題を抱えるのではなく、学校以外の外部組織の専門家に委託するなどして、一緒に解決していくことも必要になってくるでしょう。

子供たちを教育していくためには教員ももちろん大事ですが、親や社会全体が一緒になって支え合っていくことが、これから先、より重要になってくるでしょう。

増えてきている部活動の顧問を外部委託する中学校

先ほど紹介したことをすでに実施している自治体もあります。

東京都杉並区では2013年度から民間のスポーツクラブなどと契約し、土日・祝日と夏休みなどの長期休暇には、外部の専門コーチに中学校の体育系部活動の指導を任せられる制度を導入しています。最近では平日まで適用範囲が広がっているそうです。

また、コーチが指導する際にはトラブル防止のため、保護者の代表が立ち会うことになっており、対外試合の引率は教員の方が行っているそうです。このあたりは、しっかりと学校側でも管理できています。

この杉並区には、全国の自治体から問い合わせや視察が相次いでいるそうです。

さらに名古屋市でも外部顧問が部活動の単独指導や大会への引率もできる制度を2014年度に導入しています。

このように、部活動の指導を外部に委託する自治体が増えてきているのです。
今後もこの傾向は広まっていくでしょう。

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