契約社員が契約更新を断る理由
契約社員が契約更新を断る理由の多くは、給与や労働条件などの待遇面や人間関係によるものです。
それ以外にも、契約期間が短すぎたり、契約更新の時期が数日から1週間以上ずれこむことがあったり、契約更新の時期を会社の都合で変更されたりと契約更新の時期に関するものもあります。
契約社員は、あらかじめ雇用の期間が定められているので、期間満了で契約更新せず退職する権利を持っています。
会社としては、引継ぎや新しい人を雇わなければ穴埋めができないので引き留められることもあるでしょう。
しかし、期間満了の場合は、継続して働く意思がなく、待遇面での不満も解消されていなければ、更新を断って退職することができます。
会社と話し合い、同意すれば雇用期間が延長されることもありますが、辞めたい時は、はっきりと会社に伝えてください。
契約社員が契約更新を断る場合。慰留の可能性は
契約社員は有期雇用であり、その期間は3ヵ月や6ヵ月など一定の期間で繰り返し更新している場合が多く見られます。
何度も更新をしていても、待遇や労働環境によっては契約更新をせず退職を選ぶこともあるでしょう。
更新を断ると会社から引き留められることはあるのでしょうか?
継続して更新し続けている場合は、その仕事で重要な役割を果たしていたり、他の人にはできないような専門的な仕事である可能性があります。
そういった時には、新たな人材を確保したり業務の引継ぎをしたりするのは難しいと考えられますので、更新せずに退職すると申し出ると引き留められることもあるでしょう。
給与などの待遇面の改善など条件を提示され納得すれば、契約更新しないという意思を撤回して継続して働くこともできますが、そうでなければ引き留められたとしても期間満了を理由に更新を断ることはできます。
契約社員の契約更新を会社が断る場合
雇用している会社側から契約社員へ契約更新を断る場合もあります。
すでに何度か更新を繰り返しているのであれば、次も当然更新されるだろうという期待を抱くのは自然なことです。
それを裏切られたとなると、契約社員としても納得できず、期間満了として契約を打ち切られるのを拒否することもあるでしょう。
会社としては、業務成績や態度などなんらかの不満があったり、人件費を削減するなどの理由で契約の継続を拒否すると考えられます。
しかし、法的には、何度も契約更新されていて、契約社員も継続して働く意思もあるのに会社側の一方的な都合で更新を断ることは許されていません。
実際に裁判でも会社側からの更新拒否が無効とされた例がいくつも存在します。
契約社員で何年も契約更新を続けていたのに、会社から次の更新を断られ、納得がいかない場合はそのままあきらめずに、再度会社側と話し合いをしてみてください。
派遣社員から契約社員へ。入社後すぐに退職はできるのか
派遣会社に登録していて、紹介予定派遣として一定期間働き、派遣先の会社から契約社員にならないかと声がかかることがあります。
その時に、派遣社員から契約社員に切り替わると、給与が少なくなるなど待遇面での不満や人間関係などの問題で契約更新を断りたいということもあるでしょう。
しかし、派遣社員から契約社員になることを前提に働いてきた手前、断ることができずに契約更新に応じたとしたらどうでしょうか。
そして、一度は承諾したものの、働き続けるのは困難だと思い、退職の申し出をする場合は、いつ伝えたら良いのでしょうか?
入社してすぐに退職したいと伝えても有期雇用である以上、やむを得ない事情がなければ契約期間中に辞めることはできません。
継続して働くつもりがない時は、入社前の派遣社員であるうちに更新を断り退職の手続きを進めるのをおすすめします。
契約社員で契約更新を拒否した場合、自己都合退職になるのか
契約社員で何度目かの契約更新の時に期間満了として自分から断った場合は、自己都合退職になるのでしょうか?
期間満了での退職が会社都合になる場合は、3年以上更新しながら働いてきた人が契約更新されなかった時や、労働契約を結ぶ際、定期的に契約更新をすると言われていたのに更新されなかった時です。
つまり、契約社員から会社に契約更新を断った場合は自己都合退職として扱われます。
自己都合退職と会社都合退職では、失業保険の受給開始日や受給期間、受給金額などに差がありますので、契約社員が退職する場合、自分から申し出るか会社から言われるかで大きく違ってきます。
なお、会社から契約更新時に更新しないと断られ、本来は会社都合退職なのに、離職票には更新を断ったと書かれて自己都合とされるケースもあります。
その場合は、会社に問い合わせて修正してもらう必要があります。