平日に有給休暇を取得するのに理由を伝える必要はない!
平日に有給休暇を取りたい場合に理由を伝える必要はあるのでしょうか。
はっきりいうと必要ありません。
労働基準法で認められている「年次有給休暇」は、労働者に与えられている権利です。権利なので自由に行使していいわけです。理由や休んで何をするのかを報告する義務はありません。
ただ、自由に行使していいとしても、会社の状況は考慮しましょう。
残念ながら有給休暇が取りにくい職場は存在します。その中で有給休暇を取得した場合、「アイツばかりずるい」と思われないように、周囲との関係は良好にしておく必要があります。
普段の業務をしっかりこなすことで、有給休暇を気持ちよく取得できる職場にすることは必要です。
また、自分が有給を取った時に、他の仲間がサボートしてくれる体制を築いておくことも大事です。
そのためには、他の人が有給を取った時に業務のサポートを依頼されたら、依頼された仕事はしっかりやり遂げるようにしましょう。
そうやって、日頃から助け合うことでサポート体制は築かれていきます。
平日の有給休暇申請を拒否されることはあるのか?
先ほど書いたように、労働者が有給休暇を取りたいと申し出た場合は、どんな理由であれ原則、受け入れなければいけません。
ただし、どんな場合も無条件に有給休暇取得を許可していては、会社の運営がまわらなくなる可能性もあります。
例えば、一斉に多数の従業員が有給休暇を取得しようとした場合です。
そのため、会社には時季変更権という権利があります。正常な業務を妨げる恐れがある有給休暇の申請があった場合、休暇を別の日にずらすように命令できる権利です。
ただ、この権利は本当に業務に支障をきたすことが客観的、具体的に明らかでないと行使することができません。
例えば、年末商戦の最も忙しい時期に請求されるとお客さんをさばききれないことが明らかである場合や、職場の半数以上の従業員が一斉に同じ日に請求すると業務が滞ることが明らかである場合などです。
このような場合は、申請が拒否されることはあるでしょう。
とはいえ、基本的に有給休暇を取るために会社に理由を聞かれたり、書類で提出するよう求められたりしても、労働者に答える義務はなく、会社は理由を言わないからと申請を却下することはできません。
平日に気軽に有給を取るためのみんなのテクニック
みなさん、有給休暇を気軽に取れるように日頃から何か工夫しているのでしょうか。
そのためのテクニックを何人かの人に聞いてみました。
- 休日の前にとって連休にするようにしている。週の頭にとると休日の後にまた休んでいるというイメージがつくが、休日の前だと次の日はみんなも休日となり、休んだイメージもリセットされやすい。(40歳/土木建築関連技術者)
- 上司と仲良くなって気軽に相談できるようにしておく。そうしてプライベートな予定も言えるようにしておく。(26歳/一般事務)
- 普段からお互い助け合って働いている。困っている人や急な休みの人がいたら率先して手伝うようにして、恩を売っておく。(30歳/マーケティング)
いくつかのテクニックが出てきましたが、有給休暇をとるには仕事に支障がないことが大前提です。
普段から、休んでも業務がうまく回るような仕事の仕方をしておくことが大事でしょう。
平日に有給休暇の取得理由を聞かれた時に使える事例
有給休暇の取得理由を会社に報告することは必要ありませんが、上司やグループリーダーに、申請する時に理由を言わなければいけない場面も出てくるでしょう。
そんな時、本当に何か休む理由があればいいですが、ちょっと休養のために休みたい時はなかなか「単に休むため」とは言えないもの。
そこでここでは、理由を言わなければいけない場面になった時に使える理由をいくつか紹介します。
ポイントは、「平日にしかできないこと」か「大切な人のため」であることです。
その1:家の修理の立会い
ガスや水道、エアコンなどの修理は原則立会いが必要です。
特に、ガスや水道は生活インフラで修理しないと生活にも支障が出てくるため、緊急度をアピールすることができるでしょう。
そのため、急に休暇が必要になった時にも有効です。
その2:銀行・役所の手続き
ローンの手続きで銀行に行ったり、諸処の手続きで役所に行ったりというのは平日にしかできないことです。
そのため、この理由も平日に有給を取得するのに有効です。
その3:忌引き
あまりオススメできる方法ではありませんが、取得理由としては有効です。
ただ、あまり近い親戚だとバレてしまう可能性もあるので、ちょっと遠い親戚にしておくと無難です。
また、何回も使える理由ではないので、他にどうしても理由が思いつかない場合の最終手段として使うようにしましょう。
平日に有給休暇を取得するのに虚偽の理由でも大丈夫か?
先ほどは申請理由の事例をいくつか紹介しましたが、基本的に有給休暇の利用目的は社員の自由であり、その利用目的を申告させたり、それによって有休消化を拒否する権限は会社側にはないわけです。
こういったことを踏まえると虚偽の理由であれ有給休暇を取得することはできます。
また、虚偽だと分かったとしても有給休暇を取り消すことはできないことになります。
ただし、同じようなことを繰り返されると、職場の秩序維持ができなくなってしまいます。
例えば、子供の急な入院を理由に長期の有給休暇を申請した場合。これに対し他の従業員はその人のフォローにまわることになります。
しかし、これが虚偽だとわかったとしたら、それを理由にフォローにまわった従業員は必要のない業務を行ったとして士気も下がってくるでしょう。
フォローをしている段階で自分の通常業務もいつもより手がまわらない状態になっていますから、業務の生産性にも影響が出てきているでしょう。
このような事態にならないためにも、年次有給休暇の取得手順に関する規定を就業規則に記載しておくべきです。
そして、手順規定に反したという理由で懲戒処分にすることが妥当でしょう。
ただしこの場合、有給休暇を取り消すことはできないので、就業規則にある譴責処分や減給処分という形になります。
取得理由が虚偽であっても有給休暇は取得することはできますが、虚偽の理由で業務に多大な影響を与えるようなことはないようにしましょう。