大学の学費を払わなかった場合の学校側の対処
大学に通い始めたものの、家庭の事情などにより学費が払えなく学生もいるようです。
特に私立大学の場合は学費が国立よりも高い場合が多く、このようになる学生は多いでしょう。
では、学費が払えない場合、どのような処分が行われるのでしょうか。
大学、高校、専門学校にかかわらず、学費を払っていないと学校の方から催促の連絡がきます。
その連絡は書面であることが多いですが、直接電話がかかってくることもあります。その後も滞納が続いていると、最終的に強制退学ということになります。
国立大学の場合は、年度末まで未納が続いていると除籍処分になることが多いです。一方、私立大学の場合は学校ごとの規則に従うことになります。
どうしても学費の支払いが遅れてしまう場合には、事前に学校に問い合わせておきましょう。他に対処法がないか教えてもらえるでしょう。
学費が払えないことで強制退学になることはできる限り避けたいものです。強制退学になってしまうと、その後の生活に影響を与えてしまうことになります。
そうならないためにも、学費が払えない状態だとしても一時的に借金をするなどして学費を払ったほうがいいでしょう。
学費が払えないので私立大学進学を諦めている人にオススメの制度
大学に通いだしてから学費が払えなくなることもありますが、大学入学前にすでに学費が支払えそうになく、泣く泣く進学を諦めてしまう人もいます。
しかし、現在は入学者に対して授業料を免除している大学も多いです。平成27年度入学者に対する日本学生支援機構がまとめた情報によると、学内奨学金や授業料免除など減免制度および徴収猶予制度を設けている大学は次のようになっています。
- 国立大学
- 大学院……76校
- 公立大学
- 大学院……58校
- 私立大学
- 大学院……402校
- 私立短期大学……154校
特に国立大学は86校(2015年時点)しかありませんので、76校というのはほとんどの大学で設けられているということになります。
もし、志望大学があるものの、現在、学費を支払えそうな状態で大学への進学を諦めかけているのであれば、「志望大学名 授業料免除」で検索してみましょう。
学費が払えなさそうな人でも、ぜひこういった制度を活用して、大学進学を目指してみましょう。
私立大学の学費が払えない場合に活用したい奨学金のタイプ
私立大学に通ったものの学費が払えそうにない場合には、奨学金を申請するとよいでしょう。
奨学金には大きく2つのタイプがあります。ここでは、奨学金の2つのタイプを紹介します。
貸与型
このタイプの奨学金はお金を貸し付けてもらうものです。貸し付けてもらうので、卒業後には借りたお金を返済する必要があります。
このタイプの場合、契約者は学生本人となるため、返済義務も本人に生じます。
貸与型で有名なのが、「日本学生支援機構」の奨学金制度です。この奨学金制度には2つの種類があります。
一つは第一種で無利息のものです。もう一つが第二種でこちらは利息が発生します。ちなみに金利は上限3%となっています。
当然ながら、第一種のほうが第二種よりも審査基準が厳しくなっています。
給付型
このタイプの奨学金は給付してもらうものです。給付してもらうので、返済する必要はありません。
この奨学金は、民間企業や大学など様々なところが実施しています。ただ、給与してもらうだけに、審査基準は貸与型よりもより厳しくなっています。
私立大学の学費が払えない場合に活用したい教育ローン
私立大学の学費が払えない場合には、教育ローンを利用するのも一つの手です。
教育ローンには大きく分けて2つの種類があります。
ここでは、2つの教育ローンについて紹介します。
国の教育ローン
国の教育ローンは日本政策金融公庫が扱っています。
子供一人あたり固定金利2.25%で最長15年の返済期間で利用することができます。
なお、母子家庭もしくは世帯年収が200万円以下の家庭では、年利1.85%で利用できます。
このローンは奨学金の場合と異なり、申込者は原則として学生ではなく、その保護者となります。
また、日本学生支援機構の奨学金と併用することもできます。
民間の教育ローン
奨学金や国の教育ローンが利用できない、もしくはそれらでは金額が不十分といった場合に利用できるローンが民間の教育ローンです。
労働金庫や銀行などの金融機関が扱っています。融資された資金の使途目的は基本的に「教育」となっていますが、比較的自由度が高いことが特徴です。
私立大学の学費が払えない場合に確認しておきたい学校の制度
私立大学の学費に関する制度はそれぞれの大学によって異なります。
私立大学の場合は、各学校で制度を工夫していることも多く、国立大学と同じように経済的な理由で学費が免除される場合もあれば、学内で成績がトップであることを理由に免除されることもあります。
また、保護者などの学費負担者が災害などの被害にあった場合に減免している大学もあります。
さらに、支払いの分納(支払いを分ける)や延納(支払いを延期する)を認めている大学もあります。
このように、私立大学の場合はそれぞれの大学によって独自の学費免除制度があるものです。
他の大学ではその制度があるからと自分の大学にも同じものがあるとは限りません。逆に、他の大学にはなくても自分の大学には設けられている制度もあります。
学費の支払いで困ったことがあれば、一度大学の制度を確認してみましょう。